つれづれとミロ受けなお話ポチポチ書いてます。
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「よ、色男。今日はお前さん大変だなぁ」
「なんだ?」
仕事帰りの街角で、背後からかけられた言葉にカノンは足を止めた。振り返ればそこにいたのは昔からの顔なじみであるデスマスクだった。
にたにたと、なんともいえない笑みを浮かべながら近づいてくる彼にカノンは不審な表情を隠そうともせず眉間に思い切り皺を刻む。無視してきびすを返そうとしなかったのがぎりぎりで残ったカノンの良心だ。
「んな怖い顔すんなって。お前の嫁さん。今日大量に買ってたらしいぜ」
「ミロが…何を?」
愛する妻の名を出され、くい気味にたずねてくるカノンに、デスマスクは口の端を歪めながらかるく肩をすくめて見せる。
昔からの顔なじみだが、ここまでカノンが誰かの為にころころと表情を変えたり心配する様をみるのはデスマスクも初めてのことだった。
いつも澄ましてお高くとまっている。半吸血鬼のまがい物の癖に。
誰もがそう彼を評価し、蔑んできた。
同じように半魔だった自分はそんな彼とすぐ打ち解けた…と思っていたがやはりそこは「愛」の差なのだろう。
新婚ほやほやの新妻にでれでれでめろめろなカノンをデスマスクは「なさけねえ面」と思ったことはあったがほほえましいとも思っていたのだった。
「何って、マムシドリンクと鉄分サプリメント。まあ、朝まで眠らせてもらえねえよな」
「………」
デスマスクの答えに、カノンの表情がぴしりと固まる。
おや?とその反応にデスマスクが言葉を発しようとする数秒前、しかしカノンの姿はそこのはすでになかった。
「おいおい…そんなに、楽しみかよ」
わかりやす過ぎるだろ!
苦笑いし、デスマスクは精精搾り取られすぎるなよと心中で突っ込むのだった。
「ただいま、ミロ!」
「おかえ…わっ」
帰宅するやいなや、出迎えに出てきたミロをカノンは腕の中に閉じ込めると玄関に勢いのまま倒れこんだ。
無論、ミロを守るように…だ。
突然のことに目を白黒させる裸エプロンが初々しい新妻、夢魔のミロは満面の笑みを浮かべるとぎゅうとカノンの背に腕を回した。
「おかえり~ んー…カノンの匂い」
「ただいま。ミロもあいかわらずおいしそうな匂いだ」「ひゃ…もー、カノンたぎりすぎだろ」
帰ってきて早々、キスよりも先に自分を求めてきてくれたことがミロは素直にうれしかった。
自分よりも年上のカノンは玄関で誘ってもいつもそっけないからなおのこと。
前は何度も悩んだものだ…夢魔として魅力が自分にはないのか、と。
しかしそれがカノンの「理性」を抑えるための我慢なのだとしった日のときめきをミロはいまでも思い出せる。
「カノン、今日はここでしちゃう? でも声我慢できないかも…」
喘ぎ声が大きめだと自分でも自負している。
夢魔である自分は性に対して基本奔放だから気にはしないのだが、カノンは困るかもしれない。
問えば、帰ってきたのは言葉ではなく…
「ん…ふ、ぁ…かにょ…」
「俺の為に鉄分補充してくれたんだろ?」
「え…!なん…」
かあ、と赤く染めるミロの言葉は言葉よりも雄弁だ。
わかりやすい反応にカノンはミロの体を自分のひざの上におろすと長い髪の毛をかきあげて、首筋をぺろりとなめた。
ひくりと、ミロの喉がひくつく。
「今日は俺から食べても…いいだろう?」
「うん…いいよ。いっぱい、食べて」
うっとりと、甘い声に誘われるままにカノンはミロの首筋に鋭い牙をつきたてた。
ずぷぷ…と食い込んでいく白い牙はすぐさま溢れるミロの赤い血に染まってゆく。
口の中に充満するミロの血の味は甘く、芳醇だ。
新緑の瞳を血のように真っ赤に染め上げ、夢中になってミロの首筋に牙を立てるカノンには理性のかけらも残ってはいない。
「く、ぁ…」
ぬちゅぬちゅだかくちゅくちゅだか、血のあわ立つ音と体中を支配する熱にミロは浮かされた表情で天を見つめる。
吸血鬼は獲物の血を吸う際、獲物の体に催淫効果のある物質を放出する。その効果は絶大で、媚薬の類には強いはずの夢魔であるミロはいつもカノンに吸血されるときは体が熱くなって大変なことになってしまうのだ。
そう、今も。
「あっ…あ、カノン…らめ、もう…ん、カノン、」
身を震わせ、なんとかカノンを離そうとするミロだったが、しかしカノンはミロの首から顔を離そうとはしなかった。
切羽詰ったミロの声色。
もじもじと、わずかだが腰が浮いている。
「カノン…おねが、ん…ふ、ぁあ…っ」
ずるり、と踏ん張っていた足が崩れ落ちるのとカノンのひざがミロの又の間をえぐったのは同時のことだった。
盛大な嬌声を上げ、震えるミロの足の間からはついでぷしゃあと生暖かい液体があふれ出しカノンのひざを濡らして床にこぼれた。
さして粘力もなく淡い黄色のそれはよく確認しなくとも「尿」だとわかる。
カノンが牙をミロの首から離せばこてり、とカノンの方へ体を倒してくる彼女。
その体を抱きとめ耳元に、額に口付ければくすぐったそうにミロは身をよじった。
「おもらししちゃうほど気持ちよかった?」
「ん…いじわる。でちゃうって、言おうとしたのに…」
「でも、言えてないだろ? おもらししちゃうなんていやらしいね、ミロは」
「うー…いじわる」
「でもそんな俺が好きなんだろ」
「うん」
素直に頷き、自分の高ぶりを伝えるように体を摺り寄せてくるミロにカノンの欲望はますます高ぶってくる。
「今日はいっぱいお仕置き…な?ミロ」
「して、いっぱい!いっぱい…カノンにお仕置きされたい」
真っ赤な瞳の奥で燃えている欲望の火に、ミロはぞくりと背中を震わせる。
欲望に忠実な夢魔はその視線だけでかるくイってしまいそうな感覚を覚えるのだった。
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