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つれづれとミロ受けなお話ポチポチ書いてます。
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ピクシブで友達が探偵パロのお話を書いてくださりまして…そのお話への返答SSです。
カノンが与えてくれた、たくさんのものの為にミロは生きている。
カノンなくして、ミロはなく
ミロなくしてカノンはなく…
雰囲気SSです。



拍手[7回]


+ + + + + + + + + +




きっと、この世界にカノンがいなくなったとしたら自分の存在意義など微塵もなくなってしまうのだ、とミロはよく思うのだ。
いや…存在意義という話ではなく「存在する意味」と言ってもいいだろう。
自分がここにいる、ここに存在できるのはそこにカノンがいるからであり、カノンがいなくば自分には「意味」などないのだ。

「ミロ…」

大好きな、低く甘い声が名前を呼んでくれるのがミロはうれしくてたまらない。
大きく暖かな手で頭を撫でてくれるのも、腕の中に閉じ込めるように抱きしめてくれるのも、だ。
カノンの腕はいつも自分を守るように包み込んでくれた。
本当は自分がカノンを守ってあげたくて、癒してあげたいのだけれどまだまだカノンより小さく短い腕ではカノンの背に腕を伸ばしたりとか頭を撫でてあげられることしかできない。
それが少しだけミロは悔しくもあった。

「カノン」

愛しい人の名を呼んで、愛しい人の背に腕を伸ばす。そうすれば自分の背に回されたカノンの腕にぐっと力がこもるのをミロは感じ取り、目を閉じるのだった。





夕食の支度を終え、カノンを呼びにきたとき…カノンはどこか遠くに意識をやっていた。
どこか泣き出しそうな顔で、名を呼べば無理に笑ったような顔で。

「カノン?」


遠く、どこかへなんて行かないで。
俺はずっとそばにいるから。
訴えるようにミロがカノンの名を呼べば伸ばされた腕がミロの体を抱きすくめた。
暖かく大きな胸板。
安心できる、暖かな場所。
けれど小さく震える手に、ミロはそっと目を細めた。

「カノン…かのん…」


まるで迷子の子供のようにすがり付いてくる腕に、ミロはただカノンの名を繰り返し呼ぶだけだった。
何度でも…何度でも、カノンが満足してくれるまで。何度でも。


何も持たなかった自分に「居場所」と「存在理由」と「愛」をくれたカノンに自分ができる全て。
全身全霊をかけてカノンを愛すこと、カノンを想う事。
それは決して義務や恩義からではない。
心のそこからカノンを愛しているからできる全て。

「ミロ……腹が減ったな」
「ごはん、出来てるよ」

笑って、空腹を訴えるカノンにミロが向けるのは満面の笑みだ。
この人の為に…存在したい、生きていたい。

水も空も空気も風も、この人がいるから全てが自分にはきらきらと輝いて見えるから。
その感動を全部全部この人に伝えたい。
全て教えたい。



盲目的だと人は笑うかもしれない。
それはただの刷り込みだと言うかもしれない。
その度に自分はきっとこういうだろう
「違う、これは愛なのだ」と。


「カノン……大好き」

暖かな腕の中でミロは思う。
愛しい熱…愛しい思い。


二人の世界は暖かくてこんなにもやさしいのだ。
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