つれづれとミロ受けなお話ポチポチ書いてます。
|
+ + + + + + + + + +
折角の休日なのだから久しぶりに少し、外に出てみるか…と自宮を出たのはつい今しがたの事だ。
隣宮の天秤宮(主は丁度五老峰に帰っていたため不在であった)を抜け、そして処女宮を通り抜ける際、いつもどおり主に一声掛けていこうと思ったミロは彼の気配が宮内ではなく中庭にあるのを感じ取り、自然とそちらへ足を向けた。
別にそのまま通り過ぎても問題はないのだが、なんとなくミロはシャカに声を掛けていきたかったのだ。
沙羅双樹の園。処女宮の中庭の真ん中には仏陀がその木の下で入滅したといわれる沙羅双樹の木が植えられている。
代々の乙女座の黄金聖闘士が大事に守ってきたのだといわれているそれは樹齢200年はとうに超えていて、立派な枝振りの樹で、花の時期になるとそれはそれは見事な花を咲かせることをミロもよく知っていた。
しかし何故だろうか、今はこの木を見ると胸の奥がつきりと痛む。
それは最初はちょっとした痛みだったのだが今ではあの花の色を思い出すだけで息がしにくいほどの痛みを伴うのだ。
「私に何か用かね?」
ふいに、背後から話しかけられてからミロは漸く自分が無意識のうちに中庭の真ん中にまで足を踏み入れていたこと、そして沙羅双樹の木の下で呆然と立ち尽くしていたことに気がついた。
「あ、ああ…すまない。通り抜けさせてもらおうと声を掛けようとしたのだが…邪魔をしたな」
「否、構わんよ。しかし、一体どうしたのだね? 深く何かを考えている様子でじっとあれを見つめていたようだが…」
「す、すまない…」
彼の口ぶりからすると何度か自分に声を掛けてくれたらしい。
それに全く気づかなかった己に気恥ずかしさと申し訳なさが湧いてきてミロは眉を下げる。
「ただ、なんというか…あの木を見ると胸の奥が妙に痛んでな」
おかしな話だろう?と笑うミロにシャカはしばし思案顔を浮かべると「あの時…」とぽつりと言葉を漏らす。
穏やかな、声だった。
「私がサガ達のアテナエクスクラメーションをこの身に受け消滅した後…君やアイオリアが私のために激怒してくれたことはムウに聞いているよ」
「あ、あれは…忘れてくれ。あれは聖闘士としてあるまじき短慮で浅はかな行為であったのだ。もう少し深く考えればサガやカミュ達が裏切るはずがない、と解った筈なのに…」
「そうかね?私はあの時君が激昂したことで帰ってサガ達は前に進めたのだと思うよ」
「シャカ…?」
シャカの言葉に首を傾げるミロの前で、彼はその場に座り込むと目を瞑ったまま沙羅双樹の木を見上げた。
あの時は満開の花を咲かせてた沙羅双樹。今はすっかり葉が落ち、冬の装いだ。
「私やムウは逆に冷静すぎる。思慮深いというのは聖闘士として正しい姿なのだがそれ常に正しいとは限らないのだよ」
「どういう、ことだ?」
「あそこで君までもが冷静沈着にサガ達の行いを察し、同情の念でも見せれば…きっと彼等はアテナの元まで行くことは叶わなかったと思うのだよ」
言われて、ミロはあの時のことを思い出して目を細める。
わずかな時間与えられた生の中で、汚名を被ることを分かっていながらそれでもアテナのためにここへとやって来た彼ら。
もしも…自分が彼等の立場だったとして。
かつての仲間に友に情をかけられたら…きっと、動けなくなってしまうだろう。
「私はな、ミロ。君のそういう性格が嫌いではないのだ。まあ、熱しやすい性格は時として君の成長を妨げようが…あの悪の心しか持たぬ愚弟を赦し、受け入れた君の度量は私も見習うべきなのだろうな」
言って、ふと小さく笑うシャカにミロは驚きを隠せずにいたがそれでも笑みを返した。
唯我独尊を地でいく男。
だがシャカという男はじっくり話すとなかなか楽しい男だということをミロは知っていた。
楽しい、というと御幣があるのだが自分では持ち得ない知識だとか考えだとか…ひけらかすわけでもなく、時折語ってくれる話はミロを大いに感心させ惹きつけたものだった。
今も…彼の言葉はこんなにも自分を救ってくれている。
得難い友だ…とミロは思うのだ。
偏屈だけれど頼りになる彼の存在は。
「それより、君はどこかに出かけるのではなかったのかね?」
ふと、シャカに言われてミロは自分がここまで降りてきた目的を思い出して「あ」と声をあげた。
「そうだ…ハロウィンの買出しに行こうと思っていたのだ。すまない、シャカの瞑想の邪魔までしてしまって」
「私は構わんが…ハロウィンとはなんだ?」
問われ、ミロは「西洋の祭のようなもの、かな?」と答えるとちょうど明後日なのだ、と続けた。
「古くはあの世から舞い戻ってきた悪霊を悪魔に紛争して驚かせいたずらを阻止する…とか、そんな儀式がもとなんだ。いまでは子ども等がお菓子を強請る行事として定着した節が強いがな」
「ほう…托鉢みたいなものかね?」
「まあ…当たらずも遠からず…といったところかな」
「なるほど」
その説明で納得できたのか?とミロは思ったがそれはあえて口にはしなかった。
「それでは俺は行く。話、ありがとう。楽しかったよ」
「ミロ」
また茶でも一緒に飲もうと言い残し、足を進めるミロにシャカは澄んだ声で名を呼んだ。
「なんだ?」
「…明後日、菓子をもらいに行かせてもらう」
振り返り見やるシャカの口元に浮かぶ穏やかな笑み。
紡がれた言葉にミロは目を細めると「ああ、待っている」と大きく頷くと今度こそシャカに背を向けて歩き出すのだった。
【ハロウィンと沙羅双樹】
「そういえばシャカってなんの菓子が好きなのだろう…聞くの忘れたな」
アテナを日本に送り届け戻ってきた獅子宮。
彼女に持たされたたくさんの土産をかばんからとりあえずだして皆に配らねばと床に置き、座り込んで荷物を紐解こうとした彼は、しかしその作業をする前に背中に無遠慮に乗りかかる重みに思わず「ぐっ」と小さくうめき声を上げるのだった。
「…重い」
「なんだと!」
「ミロ…圧し掛かるのはいいのだが…突然はやめてくれ」
幼い頃からの友人である彼は大人になっても自分に対してだけはどこか子供っぽさを残した対応を取ることがあった。
それはアイオリアにはくすぐったく嬉しかったりもするのだがいくらなんでも今のこの状況はいただけない。
黄金聖闘士といえど流石に日本から帰ってきたばかりでこちらも疲れているのだから。
「アイオリアの癖に生意気だ」
「癖にってなんだ、癖にって」
「そのまんまの意味だよ」
くすくすと笑い声が頭上から降ってくる。
どうやらミロは腹を自分の背にひっつけた結構で圧し掛かっているようだ。
とりあえずかばんを横にどけて乗りかかるミロへと腕を伸ばそうとすればそれよりも早く、ミロはするりとアイオリアの上から退くとアイオリアの隣に腰を下ろした。
「リア」
「なんだ?」
「おかえり」
「ただいま」
にっかりと微笑みミロにそう言われてアイオリアは愛好を崩す。
ミロの笑顔はやっぱり、好きだ。
子供の頃から変わらない温かな明るい笑顔はいつだって自分の心を和ませてくれる。
不遇だったあの時代も、今も。
つい、ミロの笑顔に見蕩れていたアイオリアだったが不意に、自分のシャツを引かれる感覚にふと我に返った。
「ミロ…なに、してるんだ?」
「んー?いたずら」
「なんで?」
「ん?ハロウィンだから?」
先ほどの笑顔を顔に浮かべたままに、なにやら人のシャツに黒いペンで文字を書いているミロに流石のアイオリアも慌てる。
よく見ればミロの手に握られているのは油性のペンだ。
大層な服ではないが落書きされていい気分は流石に、しない。
「ハロウィンだからってっ、油性じゃないか!しかもなにを書いて…」
あーあー…と苦々しい声を上げながらTシャツをひっぱり書かれた言葉を見て、目を丸めた。
Tシャツに書かれたのは簡潔な一文だった。
けれどその一文はアイオリアの胸をきゅんとときめかせるには充分すぎるものだったのだ。
「『ミロ予約済みに付手出し無用』…か」
「今日はハロウィンだからな。お前に悪戯していいのは俺だけなの」
どこか気恥ずかしげに言うミロに、たまらずアイオリアはミロの体を抱きしめた。
腕の中で「なんだよ!」と喚くミロに構わず「ミロ、可愛い」と何度も何度も繰り返せばとうとう彼は「むぅ」と小さなうめき声を上げ大人しくなるのだった。
「じゃあ、ミロに悪戯していいのも俺だけ、だよな?」
「! 好きに、すれば?」
顔を真っ赤に染め上げたまま、胸に顔を押し付けるミロの頭をアイオリアはくしゃくしゃと描き撫ぜた。
髪で隠れていた耳までも赤く染まっている。
そこに触れるように口付ければミロの肩はぴくりと震えた。
「じゃあ、好きにする。ミロにはいっぱい悪戯したいからな」
「変態くさい」
「うるさい」
ぺちり、と軽くミロの額を叩き頬に口付ければ擽ったそうなミロの笑い声がアイオリアの耳元をかすめた。
可愛くてたまらない。愛しくてたまらない。
人前では格式ばった態度の癖に自分と二人きりのときは甘えん坊で我がままで子供っぽくなる彼が何よりも。
「ミロ。トリックオアトリート」
「うん?」
「ミロをくれなきゃ悪戯するぞ?」
囁くような声色で、ミロの耳に言葉を注ぐアイオリアにミロはやや考えるようなふりをすると笑みを零し、頷くのだった。
「望むところだ」と。
【ハロウィンと油性マジックペン】
「お前も俺の売約済み、ってことでいいよな?」
「え~」
「え!」
「うっそ♪」
温かなそのベッドの中は意外にも優しい香りで包まれている。
ごろりと寝転がり、その優しさに浸っていればこつん、と頭に何かが当たる感触がしてミロはうとうととたゆたわせていたまどろみの海の中から意識を覚醒させた。
「ん…です…?」
「おはよ。つっても、もう昼だけどな」
「ん…んんんっ…」
ベッドの中でくんっと背伸びして、そっと外をうかがい見れば、なるほど太陽はとっくに昇っている頃合だった。
「おはよ」
「ああ。まったくお子様はぐーすかといつまでものんきなことだな」
「誰の…所為だと思ってるんだ」
「うん?」
「俺の腰痛の原因」
「くく…まあ、俺の所為だな」
にやりと口元に笑みを浮かべながら言葉を紡ぐデスマスクにミロは耳が熱くなるのを感じながら枕を手元に引き寄せるとそれを思い切りデスマスクの顔にぶつけてやった。
「ぶっ」と大きな声が上がるが手加減など一切しない。
「ばかにの癖に!」
「っ、っで!このあほ蠍!照れ隠しに人を叩くんじゃねえよ」
「照れて、なんか、ないっ」
「照れてるくせに。アンタレス並に真っ赤だぜ?」
「っ~~」
枕を掴む手を引き寄せられ、それからベッドの腕に縫いとめられては思うように抵抗などできない。
それでなくとも昨夜の行為で体中…それも腰をメインに痛めているというのに…
そこまで考えて昨夜のことが一気に脳内に蘇ってミロは居た堪れなくなってデスマスクから視線をそらした。
何度イったか判らない。けれどたぶん、片手では数え切れないくらいはイったと思う。
耳元に吹き込まれたデスマスクの低い声も、体をすべる愛撫の感触も…思い出すだけで体の奥をジンと痺れさせた。
「俺に思う存分悪戯させてくれたお前さんの落ち度、だな」
「っ…少しは、手加減しろよ!」
「やだ。お菓子をくれなかったてめぇが悪い。お菓子くれないから犯しちゃった…ってな」
「全っ然、面白くないんですけど!」
ぎゅうとデスマスクの頬を容赦なくミロはつねり上げる。
いひゃいいひゃいと喚きながらもデスマスクの表情は楽しげだ。
そんな表情にすらなんだかどきりとさせられるのだから全く、自分はなんてお手軽なんだとミロ自信あきれ果ててしまう。
「まあ、その代わりお前さんをたっぷり頂いたからこっちは満足だけどな」
「言ってろ…蟹め…もっ、デスっ!」
言って、ちゅっちゅと音を立てて首筋に口付けるデスマスクにミロは焦ったような声をあげる。
昨夜つけられた首筋の赤い跡の上に、それから鎖骨の上やらその少ししたあたり。
徐々に下がってゆく口付けはくすぶっていたミロの情欲をほんの少し煽ってゆく。
「デスマスクっ…だめだって!」
「ふ…流石に真昼間からは俺も手をだしゃしねえよ」
「っ…えろじじい!」
「うるせえよ、エロい顔してそんなこと言っても説得力ねえんだっての」
苦々しく吐き捨てるミロの顎をすくい上げて薄く開いた唇を指でなぞり上げるデスマスクにミロは奥歯をぎりりと噛締めた。
いつも人を食ったような言動で、いつも本音を隠して。
人を振り回すだけ振り回すくせに、それを本気で嫌味に感じさせない。
たった二つしか違わないのにこんなにも違う彼との経験の差が少し、歯がゆい。
「デスマスクのくせに…っ」
「ふん…そんな俺に心底惚れてんだろ?」
「…言ってろ」
惚れている、なんて素直に認めるのは癪で、ついと顔を逸らし吐き捨てれば耳元にデスマスクの笑い声が届くのだった。
【ハロウィンの翌朝のこと】
「っていうか、俺…デスマスクにお菓子もらってないんだけど!」
「あ? やったろ?」
「何を…?」
「高たんぱく質で栄養価のあるもんを直接下から…」
「黙れっ!」
「おお…二人は吸血鬼か!」
ハロウィンの当日、早々に仮装に身を包んだミロが真っ先に向かったのは双児宮だった。
双児宮に向かうまでの道々、赤や黄色に彩られた木々には所々かぼちゃの形のランタンが飾られ、まさに聖域はハロウィン一色に染まっている。
以前まではハロウィン初め、行事などで盛り上がることなどなかった聖域が今年に限ってこんなに盛り上がっているのは偏に、今生のアテナ…城戸沙織のおかげであった。
「お祭りは盛り上がらねば勿体無いでしょう」が彼女の信条…らしく、黄金聖闘士はじめ、聖域にいるものは今日この日は仮装をすることを義務付けられたほどだったのだ。
「やあ、ミロ。可愛い魔女だね」
「そそられる格好だな」
クラシックなマントに身を包むサガはミロの格好に目を細め、口元に笑みを浮かべる。
同じく、サガとほぼ同じデザインのマントに悪戦苦闘していたカノンもそれを放り投げてミロのほうへとやってきてくれた。舌なめずりのおまけつきで。
「本当は狼男にしようと思ったんだけどな。デスマスクに取られて…なんだかんだでこんなんだ」
苦笑い、少し長めの袖をミロは弄る。
しかしそんなミロに双子は揃って「似合っているよ」と世辞ではない本気の声色で言うものだからミロは照れくさくて俯かせた顔を上げるに上げられなかった。
膝丈の濃紺のスカートに黒のタイツ。
魔女の帽子は大きめで、飾りにこれまた大きなリボンがついている。
用意したのはもちろんミロではなく、アテナである。
仮装が決まらない、と言うミロに彼女が嬉々として手渡したものなのでミロも無碍に出来ず、渋々着る羽目になってしまったのだ。
「襲ってしまいたくなるほど愛らしいぞ、ミロ」
「それは褒めているのかなんなのか…とりあえず人前で襲うのはやめてくれよ」
楽しそうな表情でミロの背後に立ち、そしてミロの腰を自分のほうへ抱き寄せるカノンにミロは苦笑してその手を軽く叩いた。
もうマントと格闘することに飽きてしまったのだろうカノンの興味はもうミロに完璧に移っている。
そんなカノンの背後に回るサガは「まったく」と零しながらもカノンにマントを着せてやっていた。
「パーティーは今夜、だったな」
「ああ。ちゃんとお菓子も用意したか? お菓子がないと悪戯されてしまうぞ?」
カノンの腕の中から逃れ、体を反転させてからカノンの方へと向き直り髪をリボンで結んでやりながら問えば「もちろんだとも」とカノンは大きく頷き返してくる。
ちらりと視線をサガにやれば困った風な笑顔を向けられたのでたぶん全てサガが用意したのだろう。
サガに苦笑いを返しながらミロはカノンの額を軽く叩くと今度はサガの髪を結ぶためのリボンをテーブルの上から拾い上げると今度はサガの傍にミロは立つのだった。
「そういうミロは用意しているのかい?」
三つ編みを編まれながら問うサガにミロは「もちろんだ」と大きく頷き返した。
今日はその為に朝からオーブンフル活躍でアップルパイを焼き続けたのだ。
お陰で指先がほんのりまだシナモン臭くて仕方ない。
「なんだ、残念だな」
「なにがだ?」
不意にカノンが吐き捨てた言葉。
その言葉に首を傾げれば「だって」とカノンは再びミロへと抱きつく。
きちんと衣装も着たし、髪型も整えたのでここで変に抗って崩すわけにはいかないなと大人しく彼の腕の中に納まるミロに、カノンは瞳にいたずらめいた光を輝かせた。
それはまるっきり子供のような表情だった。
「せっかくミロに悪戯しようと思っていたのだがな」
「お前の悪戯は…なんだかぞっとしないな」
「確かにな…。安心しなさい、ミロ。カノンに変なことはさせないから」
ぺちん、と今度カノンの手を叩いたのはサガだった。
カノンの腕の中からミロを救い出すと今度はサガがミロを自分の腕の中に彼を閉じ込める。
さり気ない行動だったからミロも気にした風ではなかったが、しかしカノンは思いきり表情を歪める。
その表情の変化は大魔神もびっくり、なところだ。
「それはお前だろうが、愚兄め。ミロに性的いたずらを企んでいるのはわかっているのだぞ!」
「愚弟…そっくりそれはお前に返すぞ!私がそのようなことを考えているわけ……ないだろう」
「ちょっとまって、今の間は何だ?」
少し逡巡を見せるサガの返答にはさすがのミロも反射的に突っ込んだ。
冷静沈着で全聖闘士の憧れで見本であるサガ。
しかし彼もやはり人の子で、カノンと共にいるときの人間臭い…というか、そんなところがミロも嫌いではなかった。
むしろ、好ましいとさえ思っていた。
「まあ、それはケースバイケース…ってことで」
「右に同じく」
「だから、ちゃんとお菓子は用意してるって」
顔を見合わせなにやら企んだ表情を浮かべる双子に呆れたようにミロは言うものの全くといっていいほど二人の耳にその言葉は入っていかないようで…
これは大人しく悪戯をされるべきなのだろうか…と諦めとそれから少しの期待の入り混じったような溜息を吐き捨ててミロは小さく笑みを零すのだった。
【ハロウィンと吸血鬼×2】
「俺は甘い甘いお菓子より甘い甘いミロが欲しいなぁ」
「奇遇だな…私もミロが欲しい」
「だからお菓子は用意してるんだってば…」
PR
この記事にコメントする
カレンダー
リンク
フリーエリア
最新コメント
プロフィール
HN:
まめ
性別:
非公開
ブログ内検索
最古記事
P R